牛猫

旅の牛猫のレビュー・感想・評価

(2016年製作の映画)
3.5
たった1人で宇宙を漂流していた宇宙飛行士が、同じ境遇の宇宙飛行士と出会い、2人で故郷である地球を目指す話。

子どもの頃、夜寝る前に宇宙の終わりはどうなっているんだろうとか、どうやって地球が生まれたんだろうとか、ブラックホールに吸い込まれたらどうなるんだろうとか考えているうちに外が明るくなってしまうことがよくあった。そんな漠然とした宇宙の不気味さや無慈悲さを映像化したような作品だった。
どこまでも広がる宇宙の中でぽつんと漂う人間のちっぽけさや無力さが伝わってきた。
写真でしか見たことないけど木星の表面が禍々しくて怖い。
何故彼がたった1人で宇宙を漂うことになったのか、細かい説明はされないけど、余計な説明やセリフを省いた分より宇宙に没入できた気がする。
容赦のない展開と余韻を残すラストもショートフィルムならでは。

大学一年生ひとりでこの作品を作ったというのも凄いし、こんなに壮大なテーマを選んだというのも可能性しか感じない。

宇宙を旅している気分が味わえる圧巻の映像作品だった。
牛猫

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