このレビューはネタバレを含みます
マンションがシンクホールで沈没してしまう話。
主人公ドンウォンを演じるのは、キム・ソンギュン。
バイプレイヤーのイメージが強い人ですが、ちょっと地味な彼だからこそ、ドンウォンの小市民的な情けないキャラクターが合っていましたね。
個人的には『サバイバルファミリー』の小日向文世を想起したりもしたかな。
そして、本作の準主役と言ってもいい存在だったのが、マンスを演じるチャ・スンウォン。
二枚目も三枚目も演じられる人ですが、今回は完全に三枚目の癖の強い変人の役で笑わされました。
ドンウォンとのやり取りや、泥の中に落ちる瞬間も面白かったし、最後は泣かせたり、ピンチを救ったりの大活躍。
美味しいところは、全て彼が持っていったと言っても過言ではありません。
物語的には、シンクホールに落ちたマンションでのサバイバルが描かれます。
マンションが地下500mまで落下するというアイディアもユニークなのですが、もう1つ本作がユニークなのは、いざサバイバルが始まっても、コメディー調で進んでいく事。
生命の危機を感じるスリリングな場面でも、必ずギャグが挿入されるので、あまりシリアスにならずに楽しんで見る事が出来ました。
まぁ、この辺のギャグをクドく感じる人もいると思いますが、そこは好みの差でしょうね。
コメディー調で進みつつも、韓国の厳しい住宅事情を感じさせる場面もありますし、終盤は決して無傷では済まされない、災害の現実も描かれます。
その上で、ラストはハッピーな大団円を迎えると。
まぁ、不満点がないわけでもなくて、ドンウォンの成長を描くなら、もうちょっと親子の関係性を描いて欲しかったし、災害時にロマンスを描くのも余計に感じたかな。
そもそも、これだけコメディー色の強い映画ならば、被害者は出さなくても良かったんじゃないかな…という気もします。
良くも悪くも、コメディーに振った作品なので、本格的なサバイバル劇を期待すると肩透かしを食らうかもしれませんが、逆に韓国産コメディーを見慣れている方なら、ゲラゲラと笑いながら見れるのではないでしょうか。
『コンクリート・ユートピア』といい、最近の韓国はディザスター映画もどんどん出てくるし、映画大国になったんだな~実感させられますね。