福福吉吉

奈落のマイホームの福福吉吉のレビュー・感想・評価

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
ソウルの会社に勤めるドンウォンは会社の近距離に念願のマンションを購入する。ドンウォンは引っ越し祝いに部下たちを自宅に呼んで宴席を設けて楽しい一夜を過ごす。ところが翌朝、マンションの地下に巨大な穴(シンクホール)が姿を現し、地響きと共にマンションは地下に落下してしまう。

◆感想◆
日本でも道路に突如巨大な穴が開いたことがニュースになりましたが、本作はマンションの地下に穴が開いてマンションが丸ごと地下に落下するという驚きのストーリーとなっており、主人公の念願のマイホームでの日常のドラマで笑いを誘いながら、マンションの落下と共にディザスター作品として脱出を図ろうとする主人公たちの姿が緊迫感をかき立てる内容になっていて、興味を惹きました。

会社員のドンウォン(キム・ソンギュン)は妻子とともに念願のマイホームを手に入れてご満悦の普通の人物として描かれていて、住み始めてから同じマンションに住む何でも屋のマンス(チャ・スンウォン)の神出鬼没ぶりに困惑したり、マンションの床が傾いていることに心配になったりと喜怒哀楽がハッキリとしたキャラクターとなっていて分かりやすかったです。

何でも屋のマンスは運転手の代行、ジムのトレーナーなど様々な場所で働いていて、ドンウォンの行く先々で現れる様子が非常に楽しかった。しかし、マンスに引きこもりの息子がいて、マンション落下によりマンスと息子の間でのドラマが描かれていて、なかなか憎めないキャラクターになっていました。

マイホームがシンクホールに落下後、ドンウォンと彼の部下のキム代理(イ・グァンス)、インターンのウンジュが泊まっていったため、地下に残されます。キム代理がとぼけた感じで楽しいキャラクターとなっていて、頼りになるのかならないのかはっきりしない姿がストーリーを明るい雰囲気に包んでいたように思います。

ストーリー後半は地下に落ちたマンションの中でドンウォンたちが生き残るために行動を続けていき、シリアスさを増していきます。それでもキム代理は明るくて、あまり緊迫感が無かったのですが、それはそれで面白かったです。

ラストは怒涛の展開で急すぎるように感じましたが、しっかり終わっているのでこれはこれで楽しめました。

なかなか面白い作品でした。ドンウォン役のキム・ソンギュンは他の韓国作品でもバイプレーヤーとして多く出演していて、彼が主人公の作品というのもなかなか無いので、珍しい作品を観ることができた満足感もありました。

鑑賞日:2025年4月18日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2024年6月8日)
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