砂米

茄子 アンダルシアの夏の砂米のネタバレレビュー・内容・結末

茄子 アンダルシアの夏(2003年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

拮抗して緊迫感のあるレースが徐々に熱を帯びて、一気に怒涛の走りが音楽と共に弾けたのが見応えありました。
あとナスのアヒージョ?ナス漬け?を食べてみたいという気持ちがずっと頭の片隅にありながらレースを観ていた感じです。

神経質そうで真面目な印象を受ける主人公のぺぺですが、声が大泉洋でなんとなく江戸っ子な気風があって良かったです。見た目とは全く逆な負けん気の強さ。
自分にも、兄貴にも負けたくないって気持ちが伝わってきます。
最後にアンダルシアの町を見下ろす彼が格好良かった。

序盤から早い段階でレースが始まり、主人公の性格も境遇も分からぬままでしたが上手いこと混ぜてきてスッと頭に入ってきました。
この話は自転車レースというより、ぺぺのドキュメンタリーなのかなと感じます。
夏の日差しが似合う花嫁のカルメンが絵を華やかにしてくれています。元彼女と兄貴があんな感じなのは正直面倒くさそうですが、それでも兄弟の信頼関係が伺えることがホッとする点でした。

中盤まで一緒に走っていたライバルレーサーが仲間にちんたら走るなの意味で
「三味線弾いてんじゃあねーんだからよォッ!」
と叫んだのは思わずぶっと吹き出しました。日本人でもあんまり言わないのでは笑
絶対に言わないだろうと分かってる前提でその言葉を選んでくるのは面白かった。

レースのラストがちょっと呆気なかったけど、レースが本筋と言うわけでもなかったので作品全体としては面白かったです。故郷に残る人、出て行く人、これからのぺぺの未来への希望も感じつつ、非常に侘び寂びのある物語でした。
続編も観たいと思います!

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ずっとジブリ作品だと思ってたのでエンドクレジットのマッドハウスの文字に驚きました。ジブリだったら大量の自転車の描き方にもっと執着してそう。
ウィキさんによると表面上では関わってないけど、実際は関わっているジブリさん。
もののけ姫のドキュメンタリー観た時にスタッフがロードバイクする映像があったのですが、単に休暇だったのかな…?
主題歌が忌野清志郎さんだったりアナウンサーが羽鳥さんだったりと割とエンタメ性もある作品だった。

ナス漬けたべたい…………
砂米

砂米