Jiyong

劇場版 アーヤと魔女のJiyongのレビュー・感想・評価

劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)
4.0
NHK版を再視聴したので書き直し。

3DCGは苦手で良し悪しはよく分からないが、ゴロウは建築コンサルで大学時代に人形劇をやっていたそうなので、表面に立体を描くセルアニメよりも立体を動かす3DCGの方が向いているんじゃないかという持論。
しかし彼も、セルアニメの素晴らしさを認識しており、宮崎駿が3DCGをやらないのは彼が描きたい線を描けるからと言っていた。その認識があるから、セルアニメの良さを活かした3DCGになったんじゃないだろうか。

アーヤみたいになれたら…と考える。
強かで、狡猾。養子を探す大人を見て「気持ち悪い。(子供は)人形じゃない、生きてるのよ」(的なニュアンス)と言うアーヤのセリフにこの映画の子供観が詰まっているのではないだろうか。純粋無垢なんてものじゃなくて、どう思われたいか、どう生きたいかをしっかり考えているのが子供だと。
アーヤの性格が可愛くなくて好きになれないという大人の意見が散見するが、(その意見自体を否定するつもりはないが)自分の子供時代を思い出して欲しい。
ジブリは子どものための映画で、かつて子どもだった者たちのための映画なのだ。

アーヤは人を傷つける嘘は絶対につかない。人がどうすれば喜ぶか、喜べば自分が好かれるだろうと考えている。この嘘は必要。
しかし、アーヤは孤児院育ちの身の上からか、魔女の血筋からか、最終的に自分を助けられるのは自分しかいないということをよく分かっている。そこが最大の魅力のように思う。

登場する楽曲も大好き。ゴロウの言葉選びが好き。
「あたしを煩わす奴らはどいつも呪われりゃいいのさ」
「扉は開けるためについてるのさ」
魔女らしいけど前向き。ゴロウは歌詞で映画の世界観を表現するのが得意。
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