むーしゅ

最高の人生の見つけ方のむーしゅのレビュー・感想・評価

最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)
3.6
 「レディ・プレイヤー1」のおかげで「シャイニング」が最近話題になっているのもあり、Jack Nicholson見たさに視聴。2010年からほぼ引退状態ですが、ぜひともまたスクリーンに帰ってきてほしいです。

 病院で偶然出会った余命6ヶ月の二人エドワードとカーターが、死ぬまでにやりたいことのリストを手に世界中へ冒険に出る話。そういえば「死ぬまでにしたい10のこと」なんて映画もありましたね。ただ向こうは"毎日子供たちにアイラブユーと言う"とか心温まる母の話でしたが、こっちは"世界一の美女とキスをする"とかもう欲望丸出し。こういった酒池肉林みたいな役にはJack Nicholsonって最高ですね。あの口角上がった笑顔って、何回見ても清々しい。腹の中に黒いものがこれでもかとありそうなのに、それが漏れ出してもおかまいなしという感じで豪快に笑うあの笑顔。そう、これを見たいんですよ。これが見れただけで、かなりポイント高いです。

 それはさておき見た人なら全員突っ込みたくなるであろうこの邦題。謎すぎますが、最後まで見ても"見つけ方"には全くフォーカスされません。原題は"The Bucket List"、日本語意訳では棺桶リストとなっておりこの訳は結構好きです。棺桶に入る前にやるべきことリストみたいな、シニカルな感じもJack Nicholsonにぴったり。The Bucket Listは、Kick The Bucketという首吊り自殺の際に乗っていたバケツを蹴る行動から"死ぬ"という意味の慣用句になっている言葉から取っているので、死ぬまでリストとか訳してしまいそうですが、"棺桶リスト"というこの単語センス。なぜそのセンスを邦題にも活かしてくれなかったのか謎でしかたないです。ちなみに監督は「スタンド・バイ・ミー」でお馴染みRob Reinerですが、彼のこれ以降の作品は"The Magic of Belle Isle"(2012)が「最高の人生のはじめ方」、"And So It Goes"(2014)が「最高の人生のつくり方」と最高の人生シリーズにさせられています。もはや"最高の人生3部作"です笑

 さて話を戻して、本作は97分と短いのもあり2人のはちゃめちゃ旅を楽しむだけで映画自体はあっさり終わるのですが、秘書役をしているSean Hayesもなかなかいい感じのスパイスになっています。2人のことを時には制止し、時には背中を押し、最後の最後まで侮れないです。2人の名優に目を奪われがちですが、個人的には彼にも地味に注目してあげてほしいです。意外な終わり方に、そりゃそうだよねほっこり、ともなりますし。男同士の約束を達成するために、かっこいい生き方をしたのは2人だけじゃなくて、2人+1であることをお忘れなく。

 ちなみに本作はMorgan Freemanがやんちゃだった時代の未婚の子Alfonso Freemanが息子役で出ています。「ショーシャンクの空に」とか「セブン」とかショーシャンクのパロディ"The SharkTank Redemption"とか、七光りごり押しでしか出ていないのかと思ったら最近は個人での活動もしているようで(ゴスペル歌手とかもしているらしい)、顔もお父さんそっくりになってきたので是非父親のような良い役者になってほしいです。
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