「最強のふたり」を思わせる名コンビが贈る、"終活"を描いたじんわり心温まるヒューマンドラマ。
金持ちだけど別れた妻、娘とは疎遠で信頼できる人間もいない孤独なエドワードと、家庭の為夢を諦め、決して裕福ではないごく普通の生活を送っていたが、愛情溢れる家族に囲まれ生きてきたカーター。
2人は入院した先でたまたま同室になり、互いに余命6ヶ月を宣告された事をきっかけに死ぬまでにやりたい事を書き記した"棺桶リスト"を達成する為旅に出るというお話。
まるで2人の日記を追っているかのようにゆっくりと死ぬまでの日常が描かれているので、映画らしいメリハリのある話を求めてる人には向かない。
この映画は病気して余命僅かの老人たちの終活ーーという御涙頂戴設定でありながら下手な誇大演出が無くて、旅行中なんて2人があまりにも楽しそうに過ごすものだから「ほんとにこの人ら死ぬんだっけ?」とさえ思わせるほどの自然さ。だからこそ尚更観ている側は2人の旅の終わりが近付くほどせつなくなってくる。
入院中、カーターの元にはたくさんの見舞い者が訪れるのにエドワードの所には秘書たった1人しか訪れない対比に初めは切なくなりつつも、だからこそ入院生活を経て2人が徐々に仲を深め、旅する関係にまで至る事が出来たのは本当に幸福だな〜と思った。人生最後に出来た友人が、互いの人生最後にかけがえのない素敵な思い出を与えてくれた。
死ぬまでにやりたい事はやり尽くさなきゃ、と思わされる映画でした。
50/50も早く観たい