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青春の殺人者のてふのレビュー・感想・評価

青春の殺人者(1976年製作の映画)
5.0
長谷川和彦のデビュー作。市原両親殺害事件を基にして、勢いの余り両親を殺してしまった青年の姿を描く。事件後も淡々と両親の遺体を処理していく冷酷さの一方で、砂浜のアイスキャンディーにより思い出した、貧しかった頃の記憶によって見せた後悔の念が良かった。両親に対する反抗心と、その青春の挫折。当時の社会風潮を反映しているようで好きだった。演出に於いてもあらゆるシーンが才能に満ち溢れていて、2本の傑作を残して監督業を止めてしまったことが残念でならない。

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