ジョージア出身のデア・クルムベガスビリという女性監督の長編デビュー作。
スタンダードサイズで描かれます。
👇以下、ネタバレ含みます⚠️
ファーストショットから衝撃的なリアリティ。
「エホバの証人」の集会所に、突如として火炎瓶が投げ込まれる。10分近い固定カメラによる長回しの中、人々が逃げ惑う姿が淡々と映し出される。現実にそこで行われているから恐怖を感じる。少数派の宗教の悲劇。
宗教家としての生活に疲れ、牧師である夫にも抑圧されている妻が、冒頭の事件をきっかけに歯車が狂っていく。
妻ヤナの日常が描かれる。
劇伴もなく、寡黙。説明もないけれどサスペンスフルで不穏。
警察と名乗る男がやって来て、妻は侮辱され、果ては川辺でレイプされる模様を固定カメラで遠くから捉える。これもまたリアリティがあって冷酷。
ラストのひと言は、冒頭の牧師(夫)の教えにつながっているのか。息子を神の生贄とすることで信仰心を表すという。
死んだふりをするシーンの長回しは5〜10分ぐらいあったかな。大胆で印象的なシーンだった。
宗教的な意味合いが濃く、神の不在、信仰の意義と束縛を感じさせる。ラストは神からの罰なのかな。寓話的だった。
いろいろ解釈できる作品でした。
確かにアケルマン監督を彷彿させます。
なかなか凄い新人女性監督の登場だな〜
✴︎ゴリアテの憂鬱さん、ありがとうございました。