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BEGINNING/ビギニングのmareのレビュー・感想・評価

BEGINNING/ビギニング(2020年製作の映画)
3.5
これはなかなかの変わり種で、とにかく固定カメラ、長回しに並々ならぬ執着を感じる作品で、こちらからは映らない画面の外の恐怖を増幅させる演出は不安で落ち着かない気持ちにさせる。人は不意に外からやってくる事象に無力だということを強調しているようにも受け取れる。劇伴が僕の好きなNicolas Jaarということで彼の映画音楽家としての仕事をまた見れてテンション上がった。日常に潜む悪意、望んでいなかった偶然、心理を逆撫でしながらも淡々と静かに描かれていて、退屈な瞬間もあったけどさまざまなオマージュが見え隠れするテイストだった。こういう怖さはこれまで意外と味わったことがないなと感じさせられた。
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