Kumonohate

アンモナイトの目覚めのKumonohateのレビュー・感想・評価

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)
3.9
ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンの恋愛潭! これを凌ぐには、さらにレイチェル・ワイズを加えた三角関係ドラマにするしかない。それほどのナイス・キャスティング。

ますます “眉間に縦ジワを刻んだ賢女” が似合うケイト・ウィンスレット。一方のシアーシャ・ローナンも、ますます “華やかだが翳りもある賢女” が似合う。あと10年もすれば、シアーシャも眉間の縦ジワが似合うようになるに違いない。そんな2人が演じる恋バナだ。説得力が半端ない。微笑むシアーシャ、目をそらすウィンスレット。彼女らの一挙手一投足にやきもきしたりハラハラしたり。

それはさておき。

階級も財力も生活環境も全く対照的でありながら、おのおの喪失感と孤独を背負った2人の人生はそれぞれに切ない。そんな2人を男性社会がパージしあるいは檻に閉じ込める。だからこそ、小さな港町で出会った2人の解放された性は眩しい。そして同時に、そこでしか輝けない恋に身を焦がす2人はいよいよ切ない。そして力強い。

2人の女優も凄いが、台詞の数を極力排しつつ風景と心情を重ね合わせながら映像を紡いでゆくフランシス・リー監督の演出手腕も素晴らしい。
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