K800

アンモナイトの目覚めのK800のレビュー・感想・評価

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)
3.7
自由な鳥を金の鳥かごにいれたいの?

メロドラマはあまり観たことないが、シアーシャ・ローナンが出演していたので普段見ないジャンルにチャレンジ。

古生物学者である主人公メアリーは、かつて発掘した化石によって一躍時の人となったが、男性社会の中に埋もれてしまった。今となっては観光客用のアンモナイトを売りながら貧しい生活をしている。ある日メアリーの元を訪れた化石収集の妻シャーロットとの出会いが彼女を目覚めさるのであった。

ケイト・ウィンスレットおシアーシャ・ローナンの繊細な演技と圧倒的な美しさをひしひしと感じる2時間。
登場人物の感情などをセリフで説明するのではなく、視線や表情の繊細な演技で見せていた所が良かった。そこに自然の音が相まって美しい映像が映し出されていた。
メアリーとシャーロットのメンタル的な部分を衣装の色味で表現しているような気がした。映画序盤は心を閉ざしているメアリー、心を病んでいるシャーロット共に暗い色の服を着ていた。中盤になり、シャーロットがメアリーに対して心を開いてくると明るい色味の衣装になっていた。メアリーが濃紺の服を脱ぎ、白いシャツになったシーンがシャーロットにやっと心を開いた瞬間を表現しているように見えて印象的だった。また、後半の展開についてはネタバレになってしまうので言わないが、メアリーの衣装の色の変化がやはりメンタル的な部分とと連動していたように思う。違ったら恥ずかしい。

2人の関係が急に深くなった感じが少しだけするが、全体的には良かった。
繊細な演技と美しい映像による素敵な魅せ方をしてくれる作品だと思った。
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