けいり部

旅立つ息子へのけいり部のレビュー・感想・評価

旅立つ息子へ(2020年製作の映画)
3.8
僕はこれが好き?
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自閉症スペクトラムを抱える青年・ウリと、彼を支えるために全てを捧げてきた父親・アハロンのちょっとした逃亡劇。

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「大切な息子は私が守る」とでも言いたげになかなか子離れ出来ない父親。
だがそれは父親が息子を自分のカゴの中に閉じ込めていることでもあり、息子の持つ様々な可能性を潰していたのかもしれない。

確かに一般社会の中で生活させるのはとても厳しそうに見えるし、施設に預け全て任せてしまうことに対する不安もある。

しかし結局のところ父親一人から息子に分け与えられるものは限られていて、息子は父親以外の他の誰かと過ごすことで大きく成長していくのだろう。
アハロンが与えたものではなく、ウリが自ら見つけてきた好きなものを楽しむ姿を見て、アハロン同様に目頭が熱くなってしまった。


ウリを演じた俳優ノアム・インベルがまだ無名の新人だというのが驚き。あれが全て演技だったとは…恐るべし。
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