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アンチグラビティのMachiのレビュー・感想・評価

アンチグラビティ(2019年製作の映画)
3.3
とある一室で目を覚ましたヴィクトルの前に、異様な世界が広がっていた…。派手なVFXを駆使したロシア産SF作品。

原題の『koma』(=昏睡)に面白味がないのは分かるけれども、邦題の『アンチグラビティ』はもっとなんとかならなかったのか。グラビティな要素は最初の数分しかなく、中身は『マトリックス(1999)』や『インセプション(2010)』や『レディ・プレイヤー1(2018)』タイプのSF作品。

VFXのレベルが高く、導入のテンポが良いので一気に物語に引き込まれる。どこかで見たような物語ではあるものの、シナプスを思わせる継ぎはぎの世界は独自性があって美しく、物語の展開も悪くはない。アルバトロスの配給作品だったのでゲテモノを覚悟して観たが、思いの外予算のかかったまともな作りだった。

主人公のイケイケすぎる言動に共感が難しかったり、黒幕の動機にいまいち納得できなかったり、細かいことは気になるものの、作り自体はまともで普通に楽しめる娯楽作。ラストシーンの思わせぶりな演出も良い。
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