「マトリックス」と「インセプション」のごちゃ混ぜではあるが、映像は素晴らしく、一番の観所だし、これのために観ても損のない作品。
「夢」ではなく「昏睡状態の人が行く世界」という所が、今作のオリジナルではあるのだが、詰めが甘くてツッコミどころが多いのが難点。
インセプションからのパクリの「時間の進みが速い」を活かしきれていないのが残念。
また「記憶で作られた世界」もアイディアは良いのだが、「記憶」についての考察が甘く、設定自体が破綻寸前ってのはもったいないかな。
しかし、VFXアーティストの監督だけあり、その映像はインセプションと良い勝負になるぐらいのクオリティの高さ。
イマジネーションもなかなか良く美しくも不思議な世界を描き出している。
一歩間違えるとモックバスターになってしまう作品だが、どうにかオリジナリティを出して踏みとどまったという感じだ。
幻想的なビジュアルに集中して観ると楽しめる作品。
余談。
「昏睡状態の人が行く世界」って設定だけだと、世界中の人が集まっちゃうから、今作の描き方だとスケールが小さすぎる。
で、ひと工夫して、何かしらの「特殊な処理をした昏睡状態の人」とすればかなり解決するのに。笑