アネモネ

Summer of 85のアネモネのレビュー・感想・評価

Summer of 85(2020年製作の映画)
3.8
「死」について興味があっても、実際突然身近にリアルでやってくると向き合うのはとても大変だと思う。
ましてや10代の若者で、しかも始めて本気で好きになった人なら尚更。
  
2人の出会いからあっという間に縮まる距離までが、ノルマンディーの爽やかな景色と相まってとてもキラキラしていて
「あー、恋ってこんな感じだった」と、急速に燃え上がるザ恋的なのが良かったです。
音楽含め、色褪せた80年代感が尚更思い出的な感じで、
10代の一夏の恋愛ってこんなもん、なんて軽く言いたくないキレイな映画でした。

あんなイケメンにデートで海にヨットで誘われたら、誰でも恋しちゃうわ!
と思ったけど、人との距離感がわからないダヴィドはきっと、無意識に心に傷を抱えたままなのもわかりました。


書く事で、自分と恋愛対象者と、そして心の傷と向き合う道を決められたアレックスが、私には羨ましかったです。
人はこうしてちゃんと悲しみや辛さと向き合わないと、前には進めないからです。
だからアレックスはどうしても踊りたかった。
だから大人たちに対して、言葉で自分の心の中を説明したくなかったんだと思いました。

イタリア人の女の子が、人の悲しみに寄り添える素敵な子だったのが良かったです。
アレックスに、ダヴィド以外で素直に自分を出せる友達が出来てホロリときました。

これからは
ロッドスチュワートぱいせんの曲が、今まで以上に切なく聴こえると思います。
ただ、ダヴィドの母親の恨みは過剰すぎたような。。
アネモネ

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