ぴよ

Summer of 85のぴよのネタバレレビュー・内容・結末

Summer of 85(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

冒頭のアレックスの発言がめっちゃくちゃメタ発言だったので、アレックスの物語=映画と映画を見る観客の線引きががっつりとそこで引かれたなあと。それは物語の当事者であるアレックス自身も例外ではなかったような気がする。
ダヴィドの表情の変わりようとか目の光が時々なくなるところ……。本当に何を考えているのか私たちには勿論読み取ることが難しかったし、アレックス自身も仕草や表情から読み取ろうとしても掬い上げることは難しかったんだろう。そういうダヴィドを作り上げる人格の多層の一つである暗い部分や彼自身がアレックスに線引きをしていたところを、アレックスはそのまま受け取ることができなかった。自分好みに無理矢理しようとしたから、孤独で自由を愛するダヴィドは「重い」と言ったのだろう。
現に観客である私もダヴィド自身を推測で勝手に作りたてていた。結局私はもちろんアレックスもある意味観客の一人に過ぎなかったんだと感じる。ダヴィドの全てはダヴィド自身しか知り得ない。ケイトがアレックスに言った「あなたはダヴィド自身を愛していない。自分が作り上げたダヴィドの幻想を愛している」という言葉が物凄く納得する。
ただアレックスを追いかけ不慮の事故で亡くなってしまったダヴィドは、本当にアレックスに解放されて喜んだからバイクを走らせたのだろうか。ダヴィドの母親が言ったようにアレックスを引き留めたかったから追いかけたと信じたい。それもダヴィドの「何を考えているかわからない」部分からくる行動だったかもしれないけど。
映像は本当に色鮮やかに綺麗なフランスの風景を映していて見ていて楽しかった。他の作品も見てみたい。