いやそうはならんやろ

Summer of 85のいやそうはならんやろのネタバレレビュー・内容・結末

Summer of 85(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ある死体に魂を打ち砕かれた
その物語を語ろう
でももし君が死体が生きていた頃を知りたくなければ
僕と何があってなぜ死体になったか知りたくなければ ここでやめた方がいい
君の物語じゃない

冒頭からもう観させて頂きますうってテンション。逆に最初から死ぬぞ!って言ってくれてるから地雷な人には親切設計。no more BBM

これ、一にも二にも映像美。美の大洪水。
私に仏語がわかれば…画面に呆けてると字幕が通り過ぎていくから大変。色彩に光と影にまるっと好みだった。どこもかしこも洒落散らかしおって。オレンジが沁みる。話が微妙だと感じたとしても映像だけで十分観る価値あり。

鏡の演出。
これでもかってくらい効果的、構図がもう勘弁してくれーってくらい絶妙。一つのシーンで鏡の中も見なきゃいかんので目が足りない。
“見たいものしか見ない””体と顔を好きになったから心も自分の理想だと思っていただけ”
自分が見たい相手を映していた鏡、理想じゃない現実の彼と向き合おうという瞬間、鏡を割ってしまう。いつも互いを見つめ合う横顔だったのが、あの瞬間は対峙する顔が映っていたのも印象的だった。むちゃんこ計算されている

この内容 ダヴィドくそ派とダヴィド哀れ派に別れそうだけど、私は強硬ダヴィド哀れ派です。この先彼は6週間の美しく悲しい一夏の思い出扱い、あの誓いで踏ん切りつけたアレックスはなんか開花してるしそりゃあもう逞しく前に進んで行くけど、永遠に85年あの夏のままのダヴィドむりつら。cmbynの時はオリバーくそ派だったのに、、

死体じゃなく死に興味があるって言うのがダヴィドとの関係と繋がる気もして、アレックス視点と言うか彼の小説を見せられているのでどこまでが本当なのか。ピュアラブストーリーとは到底感じられなくて個人的には不気味だなーって感じる終わり方だった。