せりな

アナザーラウンドのせりなのレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
4.0
冴えない悩める中年たちの悲喜こもごも!
マッツのための映画かなと思ってしまうくらい、マッツ・ミケルセンの魅力がこれでもかと詰まった作品です。
ラストシーンは最高だと思う。てか、最高だった!

Another roundってもう1杯とお酒を追加で注文する時の言い回しなんだね。原題のDrukもデンマーク語でお酒を大量に飲むという意味だし、タイトルだけで飲酒の映画だとわかる。
血中アルコール濃度を0.05%で保つと仕事の効率がよくなるという理論に、仕事も私生活もうまくいかなくて悩んでいたマーティンが実践しようと言い出して、みんなでのめり込んでしまう。
最初はうまくいっていたけど、だんだんコントロールが効かなくなっていくあたりがアルコールの依存性を表しているのかなと思った。
0.05%を守り続ける鉄の意志があれば、それなりにうまくいっていたのかも知れないと思える内容だったけど、最初の成功体験と元々アルコール好きが重なるとアルコール濃度をあげればもっと良くなるのではと思ってしまうのかな?
登場人物の中には軽いうつ状態なのではと思える人もいて、アルコールに頼るんじゃなくて、カウンセリングに行った方がいいんじゃないかなと思った。
アルコールの取りすぎは、生活の破壊に繋がるってことだけは真実なのかな。飲み過ぎなければいいんだけど、それが難しいのがアルコール!
お酒との付き合い方を学ぶの作品としてもいいのかも知れない。

デンマークは16歳から飲めるから、高校の卒業式でシャンパンとか楽しそうだったな。池の周りを1周走るごとに1ダース空けるやつは絶対に悪酔いするよね。うちの大学もここでは飲むなと毎年通達がでるけど、毎年飲んで問題起こす人がいるので電車で騒いでた生徒たちに親近感湧いたな。

お酒は飲んでも飲まれるな!
せりな

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