ジェイD

アナザーラウンドのジェイDのレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
4.1
5年後は未知の世界、ただ今を生きている!まさかすったもんだの末に最後にこんなにも生きることを肯定される映画だとは…。そして緊急事態宣言がまだ出されているこの時代に、やっぱりお酒が呑みたい、けど飲んでも飲まれるな?そんな大人向けのお酒の寓話。

マーティンら冴えない高校教師4人組は「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事もプライベートも捗る」という理論を立証すべく飲酒した上で授業に臨む実験を試みる。授業は徐々に評判が良くなり、実験は私生活に影響を及ぼすレベルへ…。

北欧の至宝マッツ・ミケルセン率いるそれぞれダンディなオジ様達が楽しそうにお酒飲んで良いことも悪いことも起こっちゃうという話。コメディではあるがシリアスなテーマも描くので見応えはある。本当に至極当然酒は飲み過ぎたらアカンで!の範囲の話ではあるのだが、動機が動機で面白いし割と結果が出てからのほろ酔いオジ様達のまあ楽しそうなこと。

なんと言ってもさすが至宝。男も惚れるカッコよさ。ハッキリ言おう、エロい。陽の光バックに飲む至宝、友と酒の瓶を交わし合う至宝、教え子達に囲まれながら舞い踊る至宝etc…。それだけでなく1人の男の喜怒哀楽すべてを見せていただけるという一本になっており魅力満点である。

後半に向けてシリアス色が濃くなっていき、お酒に飲まれることの悪影響やまさかの悲劇も描く本作だが、それでも最後には人生って素晴らしいじゃないかと大胆に酒飲みオジ様、はたまた学生たちを肯定する。なんでもかんでもやりすぎたら全部がいい方向に行くわけでは絶対無いけど、正しく飲めばこんなにも日々を彩れる、なんか楽しいと思える。

2021年秋現在はまだみんなで飲み交わすことが出来ない情勢ゆえ、余計に映画の中の人々が幸せそうに見えたのもある。大学・サークル・仕事帰りの飲み会がいかに楽しかったか、そして酔い潰れて痛い目見たか。この映画すらファンタジーに見えてしまう笑 試験前や登校前に飲むのはちょっと自分は気が引けるが、ちびちびまたお酒が飲みたい🥃
ジェイD

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