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アナザーラウンドのkitoのレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
2.8
公式の「笑って、呆れて、涙して」は上手いキャッチコピーだと思うが、薄くしか共感できず、前半のおバカさを観続けるのが少しキツかった。後半はガラッと雰囲気が変わり俄然シリアスな展開になり見終えた。

それぞれに悩みを抱える”中年の危機”に瀕した4人の冴えない高校教師が主人公。実験と称して酒の力で現状打開を図ろうとするのだけれど、まあ、そうなるよね、という見事な失敗に終わる。ビギナーズラックでギャンブルにハマり、その後、身を滅ぼすのと同じよくあるパターン。

結局は一人を除いてまあまあハッピーな感じに終わるのだけど、彼らの悩みはかなり恵まれた国のそれで、しかも特段の努力もせずに丸く収まっている。さすがは「国別幸福度ランキング」で何度か世界一になっただけはあるデンマークだと思う。同じ北欧でもフィンランドのアキ・カウリスマキ監督が描く”底辺の人々”とは天と地ほどの差がある。

でもまあ、変にドラマチックな展開など起こらないのはリアルで良い。デンマークは自殺率が高く、飲酒量が多いことが大きな要因の一つと考えられている。酒との付き合い方は本当に難しい。飲酒のメリット、デメリットはよく知られているけれど、ほどほどに飲むことは、完全に酒を断つよりもはるかにハードルが高いと身をもって痛感する。

厚生労働省によれば、アルコール血中濃度(%)には以下の区分がある。

「0.02~0.04:爽快期」
「0.05~0.10:ほろ酔い期」
「0.11~0.15:酩酊初期」
「0.16~0.30:酩酊極期」
「0.31~0.40:泥酔期」
「0.41~:昏睡期」

私自身は過去に数回、酩酊極期〜泥酔期あたりまでいったことがあるように思う。一度だけだが深夜のバス停のベンチで数時間寝てしまったことさえある。深酒の翌日は、もう絶対に酒はやめた!と真剣に思うのだけど、いまだに断酒はできていない…
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