KUBO

ジュゼップ 戦場の画家のKUBOのレビュー・感想・評価

ジュゼップ 戦場の画家(2020年製作の映画)
4.0
東京アニメアワードフェスティバル2021、コンペティション部門グランプリ上映にて鑑賞。

大人のアニメーションだった。

荒々しいタッチの筆遣いの、イラストが動くような骨太のアニメーション。

それもそのはず、監督のオーレルさんは「ル・モンド」のイラストも担当しているイラストレーター。

本作は、実在のイラストレーター「ジョセップ」の過酷な人生を描いている。

1939年、第二次世界大戦直前のフランスで、フランコ政権から逃げてきたスペインからの難民たちが鉄条網の中の「収容所」に閉じ込められ、フランス人兵士たちに迫害されていた、なんて全然知らなかった。

作品は、ジョセップが、その収容所内での過酷な生活を親切な新兵らと共に生き抜く様子を描いている。

アメリカでも第二次大戦中、日系人というだけで全員収容所に強制収容されていたのも有名な話だが、たった80年ほど前には、人種が違うというだけでここまで虐待していたなんて、人類全体がほんの少し前まで野蛮人だったんだなぁ。

実写映画にしてもいいような重厚なテーマを、雰囲気のあるアニメーションで描いた素晴らしい作品でした。
KUBO

KUBO