幸いな事に私たちは 亡命しなくてはという危機に直面したことも無いし、人生を偽る事もなく、誰かを好きでいることも自由だ。
一方で誰にも迷惑をかけずにただ生きる事が難しい人が、世界にどれだけいるのか。
アニメーション作品でありながら、本作はドキュメンタリー作品という位置づけ。
匿名性を守るためにアニメで制作されたと聞いて、現実味を感じないかな？と思っていたけど、時々映る実写の映像によって現実に引き戻されるし、アニメのお陰で物語を読み解く間合いが取りやすくて、より引き込まれるなと思った。
昨今、移民についてを描く作品が増えてきたおかげで、こういった問題を考える事が多くなったけど、鑑賞後の一時的な興味ではなく、故郷を追われる人が世界にいる限り、これからも考え続けていかなければ、と思う。
