てつこてつ

名も無き世界のエンドロールのてつこてつのレビュー・感想・評価

3.2
行成薫氏の原作は未読。

2時間以内の上映時間で展開するミステリー感は満載。

でも、大きなエピソードを乱暴に繋いだ感が否めず、マコトはともかく、何故にキダまでが、例え幼馴染みの親友を探すためと言えど、裏社会に足を染めることになったかは幾分説明不足。特にミッチを巡るマコトとキダの三角関係の描写が随分浅い。

「ボタンは押さないと意味が無い」「冬の花火は美しい」「赤色の飲料缶」など、いかにも後で伏線回収ありますよ~!的な出し方も、ちょっと狙い過ぎ。

脚本の荒さは気にはなるが、テンポの良さとキャストの華やかさで、まあ楽しめた。キダを演じた岩田剛典は、これまで「AI崩壊」と「去年の冬、君と別れ」の二作品でしかこれまで演技を見たことなく、いずれもあまりハマっていなかったけれど、この作品の役どころのダークな部分の出し方は巧かった。マコト役の新田真剣佑は、初見。帰国子女で英語が達者ゆえ、ハリウッド進出も決まったらしいが、将来性は未知数。頑張って成果を出してほしいな。唯一、中村アンのややオーバーな芝居だけは好みではなかった。
てつこてつ

てつこてつ