行成薫さんの原作の実写化になります。原作は読んだことはありません。きっちり作り込まれた作品です。前振り、伏線、回収という構成力がすごいなと思いました。一方で、きっちりしているので映画をよく観る方からするとやや展開が読める流れになっているなと思います。
この作品はラスト20分以外の伏線がとにかく丁寧に描かれていて、その時間軸、そしてそれを描く時間がじっくりとされている分、明確なメッセージあります。年少期から大人までを行き来することで、一貫した思いと芯を描くことで納得感がある展開は見事でした。ただ一方で鑑賞している側も繋ぎ合わせる時間があるので、ある程度の予測ができてしまうところもあります。
また、映画の色味や世界観は作り込まれています。何か足りない、何か抜け出せない、閉塞感を感じながらも新たな世界に踏み出すのは何かを成し遂げたいという思いひとつで突き進む強さも描いていて、この作品の最終的な出来事にを何かに置き換えることによる、人間的強さが合ったなと思います。
最後に、マッケンとガッチャン、めっちゃカッコいいです。そして山田杏奈ちゃんとさすがとも言える少し不幸感、抜群です。中村アンもめっちゃ良かった。すでに配信されている作品ですので、お時間ある時に是非。
2021年公開作品 17本目