JunichiOoya

アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台のJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

5.0
試写会に声がけいただき感謝です。

エンドロールで紹介された種明かしのことはまるで知りませんでした。ストーリーの素晴らしさに演出と脚本が拮抗できているのか、というのはあるのですが、これは「記憶に残る」映画ですね。

実は素人集団に「何故ベケットをやらせなきゃならないのよ?」が引っ掛かり続けていました。なんで当局も劇場主も、何より「役者」たちがそこを突っ込まないのか…と。
そこを突き破るカタルシス(「待つ」ことへの回答)が一番の魅力ですね。

妻も娘も、老境に差しかかった主人公も、何より囚人たちも。そして一等「待つ人」である私たち観客も。
中盤までの成功譚の安易な繰り返しに騙されてはいけません。

とはいえ、見てない人にどうやって勧めたものか、頭を捻ります。
公開時にもう一回見てみます。
JunichiOoya

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