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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台のmmmのレビュー・感想・評価

4.0
予告をみて楽しみにしていた作品。

順風満帆とはいいがたい役者人生を送ってきたエチエンヌ。
服役囚のワークショップの臨時講師を依頼され
演劇を上演することになる。

選んだ演目はサミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」

不条理劇の代表作だが、参加する服役囚を取り巻く環境を
あわせて描くことで、戯曲の内容がぐんと深まる。

これ、実話ベースだというからびっくり!

服役囚がそれぞれの思いをもって演じることに葛藤し、
それが糧になっていく姿、それに触発されるエチエンヌ
…なんだか良かったなぁ。
私は完全に見る側だけど、演じることがもつ力が
魅力的に描かれた作品だと思う。

「あなたはもう席を立てない!」なんて
久々にダサさを極めたコピーでびっくりしちゃったけど、
個性の強い囚人と、彼らを束ねるエチエンヌの心情の変化が
とても面白い作品だったので、気になった方はぜひ。

とくに演劇好きの方にはおすすめしたいです。


◆独り言
劇中劇といえば、直近に「ドライブ・マイ・カー」
作中に主人公がゴドーを待ちながらを演じるくだりがあるんです。
芝居・役を演じることと演じる人自身のの人生が
リンクしていくってとても面白いなぁと。
フランス語(さらに聞きなれない感じだったのは
スウェーデン語?)なので字幕だよりなのに、
前の人で字幕が消えがちに…
目からビームが出るなら、きっと出ちゃってましたが
雰囲気だけでも案外伝わってしまうのではないかと思います。
mmm

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