よし

スパイの妻のよしのネタバレレビュー・内容・結末

スパイの妻(2020年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

最後の最後で評価が変わった映画でした。
良い意味で予告には騙されました。

どうせ平和主義や夫婦の愛を訴える映画なんでしょ、と斜に構えて観ていて、本当に最後まで役者の無駄遣いだとさえ思っていました。

何十年前なんだという古臭い役者の演技や、人を萎えさせる妻聡子の夫への依存度の高さも全て舞台装置だった。
狂っているは夫だと気付いて泣き崩れる聡子と、そのシーンの背景が飾りげのない海辺であるのも良い。打ちのめされながらも夫を追いかけるしかない聡子の健気さも良い。

この寂寥感は黒沢清だなあと思います。
よし

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