スパイの妻の作品情報・感想・評価

上映館(107館)

「スパイの妻」に投稿された感想・評価

shogo

shogoの感想・評価

5.0
福原優作には大義があった。先の先まで読んだ思考と行動に皆が一本取られた。

さりげなくチェスが置かれていたのは彼のキャラクターを裏付けるようで印象深かった。

蒼井優の日本語の抑揚は、昔の映画を観ているようで美しかった。
rhum

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4.5
監督印の「わからぬ他者」に関するサスペンスには違いないけど、なんかメロドラマにも見えてくる不思議▶︎衣装やセット。色合いの美しさがとにかく只事じゃない▶︎役者陣良すぎた。高橋一生の服の着こなし、蒼井優の発声、東出君の無駄の無い動き▶︎物語の展開上、最重要アイテムとなるフィルム。虚実を巡る映像メディアの両面性。その見せ方がニクい▶︎とにかく贅沢な映画体験。お見事!


余談。
観に行った回、上映開始から5分ほど遅れて入ってきたおっちゃんが懐中電灯を照らしながら自分の席を探しスクリーン前を10分くらいウロウロしてた。懐中電灯を客席側にも向けるので映画序盤は顔を照らされたりしてちょっと眩しかったが、ちょうど劇中で映写機を触るシーンと重なってたので結果的には妙なVR感を味わった。稀有な体験だった(なお、そのおっちゃんは作品を最後まで観ることなく途中退出したもよう)。
kyan

kyanの感想・評価

3.7
蒼井優演じる妻の聡子のファッションが毎回可愛くて、御屋敷といいため息が出るような生活にうっとりしてしまった

蒼井優を初め、吉高由里子や黒木華はこういう昭和のお嬢様役がとても良く似合うな〜(個人的感想)


昭和の富裕層がお好きな人はそんな所を見ていても楽しいと思う。


ストーリーでは終始、優作と聡子二人の間で繰り広げられる騙し合いに振り回されどこか緊張しながら観ている自分も居た。

正気と狂気が入れ替わった世界では正気な人が狂人扱いされる。

狂気じみた東出昌大がこれまたしっくりくる


御屋敷で東出と蒼井優が並んだ時の身長差にきゅんとしてしまった


最後観終わった瞬間 まさに お見事ー!!と叫びたくなった
TKsss

TKsssの感想・評価

3.7
なかなか良かった!!
メインキャスト3人の演技に拍手を送りたいです。
uni

uniの感想・評価

3.7
戦時下の日本で、このため息がでるような暮らしっぷり。
きっと確かにこういう恵まれた人もいたんでしょうね。
自分を世界主義者だと言い切る夫、それに比べてずっと現実的だった妻との間に繰り広げられる騙し合いが、実にスリリングで面白い。
高橋一生と蒼井優は、どこか現実離れしたカップルという役どころがぴったりです。
そして、蒼井優のクラシカルな衣装が素敵でした✨

しかし、結局、機密情報はどうなってしまったのか…。
え、これで終わり?
モヤモヤしたままあっけなく終わった気がします。
最後まで「お見事!」に騙された?
見るものに想像を与える作品といえば、物はいいようだと思いますが、

渡米を試みて、軍部に捕まった後の、いきなり時が経つシーンを経ての展開が、性急すぎるように感じます。
なんか個人的には気持ちが追っついてこなかったです。戦争がもたらした孤独な妻の末路のとも感じ取れるエンディングが印象的でしたが、
優作は日本を発って、自らの正義・妻への愛のために、どのような生活を送っていたのか?野戦病院のようなベットで、憔悴仕切った蒼井優さんからのシーンでは、少し説明不足ような気がしました。
拝一刀

拝一刀の感想・評価

4.8
傑作である。

まるで丸山眞男の論文「現代における人間と政治」を再読しているかのような錯覚に襲われた。

すなわち、(正気と狂気が)逆立ちした世界では、正気の人間が狂人扱いされることの恐ろしさ。

加えて、その両者の絶望的なまでの言語不通。

よくぞ描いた。

黒沢清監督、本当にお見事!
美しくはないけど腑に落ちる感じが初めての感覚だった。
前半、ストーリーがゆっくりと立ち上がっていき、夫が満州から連れてきた女性を巡って妻の心に疑いが芽生えるが、そこで夫が妻に信頼を強要する辺りまでがクライマックス。特に神戸の屋敷内での画はすべて美しく、部屋の調度品と登場人物たちの服装の色彩が整えられていたのが印象的だった。だが後半の日本脱出計画になってからは動きが性急になり、それまでの丁寧さや繊細さが欠けていったように感じる。戦争末期に精神病院で主人公が「私は狂ってなどいません、でも狂っていないことがこの狂った時代では狂っているということなんです」と言うシーンは評価する向きもあるようだが、僕はこれを台詞にしてしまうのは陳腐だと思う。ラストで夫の最期と妻が戦後に米国に発ったことを文字で出してしまうのも理解に苦しむ。実話ではないのだから画にすればよいのではないか(もともとNHKのドラマだったそうなので、尺や予算の都合か)。良かったのは蒼井優の演技で、彼女ひとりが他の俳優陣を圧倒していた。彼女は当時の人々の言動や所作を意識したような演技をしていて、それは本当に当時の人と比べればやはり違うのかもしれないが、当時に寄せようと努めていることが演技から伝わってくることが重要なのだと思う。また東出昌大が序盤で発した「これからはあなた方の普通が、他の人にとっては攻撃や主張と解されるようになるかもしれないので、よく注意するように」と警告する台詞が現代に通じると思った。
レク

レクの感想・評価

4.5
TVドラマ的な雰囲気から一変、舞台のような俯瞰と銀幕に吸い込まれる没入感が入り交じり、"観る"というよりも"のめり込む"或いは"飲み込まれる"感覚に惚れ惚れ。
圧倒的な余韻、黒沢清のフィルモグラフィーの中でもトップクラスの超絶大傑作!

時代感を形成する衣装やギミック、流れるような視点とクサくも痺れる台詞回し。
脚本と演出が噛み合った巧さ、それを昇華する役者陣の素晴らしい演技。
往年の日本映画の良さを継承しつつ、精錬された物語の深みが娯楽性を失わうことなく刺激する。
愛と献身、正義と幸福。
"信じる"とは決して"疑わないこと"ではない。
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