スパイの妻の作品情報・感想・評価

上映館(106館)

「スパイの妻」に投稿された感想・評価

ジョー

ジョーの感想・評価

3.3

このレビューはネタバレを含みます

悲しい”お見事”なお話

本作の主人公は、神戸で貿易会社を営む福原優作の妻
福原聡子。海外を訪れた優作が国家を揺るがす秘密を持ち帰り、それに共謀する。

素晴らしいと思ったのは多くの役者が、自分が置かれている立場をしっかりと理解して慎重に演技をしている点。

少し気になったのは、音楽。
東京事変のギタリストとしても活躍する長岡亮介が担当している。
シーンに合わせた音楽づくりは流石の一言。
しかし映画音楽として、カット変わりや心情の変化の一瞬にまで合わせた楽曲作りにはまだ至っていない印象だった。
これからの活躍に期待。



そして昔の日本を描く時にどうしても付きまとうのが”歴史的背景”の問題だと思う。

古くから日本には「女性は三歩下がって歩くべし」という言葉がある。
古臭く差別的だと頭ごなしに言葉狩りをする輩に騒ぎ立てられそうだ。
しかしその本当の意味は「有事の際は構わず逃げろ」というもの。大切な女性を守り通す強い意志を持った男の言葉だ。

逃げることが女性にとって本意ではない場合も多々あるだろう。それを無視して勝手に強がる男が当時の日本には大勢居たのだと思う。
残された家族は?女性の意志や人生は?
他人事のようにその心配が浮かぶのは、命の危険に日々怯えて暮らす必要のない平和な毎日を過ごせている証拠だ。

時代や環境を配慮せず、現代に当てはめて差別的だと批判しようと思えば多くの作品が”時代錯誤な問題作”になってしまう。

何を伝えようとしているのか、その本質をしっかり見極めようと努力しない人は、この映画のターゲットではない、それだけのことだと思う。
TomoyukiOe

TomoyukiOeの感想・評価

3.9
全員演技は上手いしストーリーもポスターからは想像できないほど壮絶なのでとても満足。
上流階級の生活からたまに見え隠れする狂気が凄いいい味。
お見事!!!!!!!
長回しシーンでの空間の使い方やお芝居のやり取りが演劇的で、個人的に気持ちよかった。どことなくNHK感があったものの、不穏な空気感は劇場だからこそ、深く体感できたのかもしれないと思った。
東出の復帰作、サイコパス役しかもう見たくないまである。

なんだかストーリーも劇的に見えないし、キャストが豪華すぎてこてこてしてる感じがあるなあ
バイオ兵器、ってところがコロナを少しかすらせるけど意識されたことではないんだろうか。

高橋一生はパーマかけて引きこもってるみたいな雰囲気が好きなので、この役はイケイケで冷めました。かっこいいけど!

監督の色なのか、ホラーじゃん、みたいな描写を良く見た。好みではないなあ〜
衣装と映画のフィルムが良かった
knitーami

knitーamiの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

余興のフィルム、短くてすぐ終わる。その中に映る背中から撃たれる女…結局読み合いに負けることを示しているのか…そして、いつもの不穏なカーテンのはためき。妻が、現実で金庫を開けたのは、このフィルムからの影響では。
夫を動かしたのは満州で見たもの、妻を動かしたのは余興のフィルムの方、って思える。
思い返すと、夫が「二人でがんばろう」とか言ってる時、どんな表情だったか、そういえば映ってなかったかも…あと、尾行を見張って盛り上がる妻と、全然一緒に盛り上がらない夫との温度差とか、もう一回観たくなる。コスモポリタンじゃない妻は、パートナーにはなり得なくて、ただ守るもの、みたいな考えなのか。おとりに使うって、共犯関係ではないよなぁ。
妻はアメリカで夫を見つけ出して、今度は妻のターンでやり返してほしいです。
あと、今なんの話だっけ?って一瞬忘れて、蒼井優の目から溢れる感情のみを受け取らされるようなシーンが何回もある。
まる

まるの感想・評価

3.7
なんでこんなに怖く撮れるの😱
NO

NOの感想・評価

4.3
1940年の神戸舞台に国家機密を知り、告発しようとする夫と、危険を顧みず彼を支えようとする妻の話だけど、スパイモノというよりは夫婦2人のラブゲームだった!
こういう黒沢清映画、いや日本映画を観たかった!

「731部隊の秘密を告発する!コスモポリタニズムだ!」と、高橋一生演じる優作は息巻いていたけど、どちらかというと超純粋で、超個人主義で、妻ののことなんて毛頭考えていなかった。でも、なんとか、聡子が優作にとって不可欠な存在になろうと迫っていき、ついに共犯関係になった恍惚とした表情と言ったらもう!無垢な男と、情念剥き出しの女のパワーバランスが絶妙に変化していくシーソーゲームだった。そして、迎えるある結末も心底震えた。

この辺りが、脚本を担当していた濱口竜介、野原位のほんのり『ハッピーアワー』を思い出した。映画秘宝のインタビューでもあったけど、嫉妬から物語が始まるのはこの二人じゃないとなかった発想。男女のコミュニケーションによって生じる、不和とそれが閾値まで行って、破滅してしまうのは『ハッピーアワー』と共通する部分かもしれない。

でも、戦争という存在を直接的に見せず、気配というか空気感だけで見せるとことか、ラストの扉を開けた向こうのあの世界の成れの果ては、『カリスマ』っぽくて、めちゃくちゃ黒沢清的だった。あと、『旅のおわり、世界のはじまり』の中盤の絶叫アトラクション(a.k.a処刑マシーン)があったけど、今回も拷問シーンがあった。もう癖なんじゃないかな。

あとあと、蒼井優の昭和の名女優を彷彿とさせる台詞回しとか凄まじい!

素晴らしい内容なのに内容と規模感からしたら限られた予算で撮ってるのが凄い。いだてんのセットとかで撮っているって後からインタビューで知ったけど、言われなかったら全然分からなかった。いやあ、今年を代表する日本映画の1本かと!!
macha

machaの感想・評価

3.7
黒澤監督の美学を感じた。蒼井優さん、高橋一生さん、東出昌大さんの魅力を最大限に引き出していたのが素晴らしい。
衣装や建物、あとフイルムが素敵でした。
YayoiOkay

YayoiOkayの感想・評価

4.1
今日も定番の
シネスイッチ銀座二階最前列にて🌟

蒼井優が、少女すぎやしないか?
と思ったけど、
その無垢な童顔が逆に良いのだろうな
という結論。

完全に妻目線で観てしまいました。

私は正義より幸福を選びます!

聡子の衣装ステキすぎ👗
白でもなく黒でもない黄色のワンピース。

二人のその後に思いを馳せてしまうラストでした!
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