垂直落下式サミング

スネーキーモンキー/蛇拳の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

スネーキーモンキー/蛇拳(1976年製作の映画)
4.2
監督としては勿論『マトリックス』『キル・ビル』などの武術監督としても有名なユエン・ウーピン監督のジャッキー主演作品。
『酔拳』はカンフー道場のドラ息子だったが、本作ではそれと対照的に大手道場の下男として住み込みの生活をおくる学のない若者。今回のジャッキーはまさにシンデレラであり、門下生からバカにされ、師範代からはいいようにこき使われ、時には稽古で殴られ役をやらされて傷だらけになってしまうのだが、やはりこれまたがユエン・シャオティエン演じる蛇拳流の老師にめぐりあったことで、拳法の才能を開花させてゆく様は涙が出そうになる。
ところで、最近『NARUTO-ナルト-』を読み返したら、初期はジャッキー映画へのオマージュに溢れていることに気がついた。
明らかにジャッキーがモデルのおかっぱキャラが出てくるし、ナルトが師匠とする修行の内容が「腰にぶら下げた鈴を取る」とか「無意味に思える作業の反復による特殊訓練」など、細かいところにカンフー映画の影響がみられる。特に「猫の動作を取り入れることで必殺技を完成させる」螺旋丸は、この『蛇拳』のオマージュだろう。