Jun潤

夏への扉 ―キミのいる未来へ―のJun潤のレビュー・感想・評価

3.4
2021.06.26

三木孝浩監督×清原果耶出演。
主演は山崎賢人、脚本は「浅田家!」の菅野友恵。
ロバート・A・ハインラインの同名原作を世界初映像化。

1995年、実際よりもロボット技術など科学分野で少しだけ発展している日本。
ロボット開発者の宗一郎は愛猫のピートと共にロボットの設計開発に没頭し、将来を期待されていた。
ある日、自身が勤める会社の経営層と対立、株式とロボット技術の権利、研究室の資材や物資までも奪われてしまう。
会社の陰謀に巻き込まれ、自暴自棄になって契約した冷凍睡眠に無理矢理入れられてしまい、30年間眠り続ける。
目覚めた先では住む場所はおろか、妹のように慕い大切に思っていた璃子も亡くしていた。
大事な人を救うため、未来、そして過去も巻き込み奔走していく。

三木監督と恋愛以外の要素は食い合わせが悪い印象でしたが、今作はSFに加えサスペンスの要素も。
これにより恋愛描写は最低限になり少し冗長さや物足りなさを感じてしまいました。

しかしSF考証については、ドラえもんで鍛えていたこともありなかなかちゃんとしていたように見え、違和感もないし置いてけぼりを喰らうこともなく楽しめました。
ただまあもう少し捻ることもできたんじゃないかと思いましたがそこはご愛嬌。

結末もSFとしては及第点、ロマンスとしてはスッキリするハッピーエンドで締められていて、これぞ三木監督!な感じは満点でした。

2025年というあまりに近い未来を舞台にしたこともあり、ビル群などは違和感もありましたが、自動運転、貨幣が廃止され電子マネーのみになるなど現在の技術から想像がつく近未来もワクワクしましたし、AIロボットが普通に往来しているのは不気味さもありながら、こんな現実が来るのかもなと思わせるものでした。

朝ドラで毎朝見ている清原果耶一強!と思いましたが、今作は藤木直人の存在感もなかなかでした。
キーパーソンとしては物足りなさを感じますが、時々挟み込んでいくるユーモラスなロボっぽい動きや表現もあって、ちゃんと展開にメリハリが効いているだけでなく、コメディリリーフとしても機能していました。
ただまぁ夏菜、夏菜だけもう少しなんとかならなかったかなぁ…
Jun潤

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