タカナリ

小さなバイキング ビッケのタカナリのレビュー・感想・評価

小さなバイキング ビッケ(2019年製作の映画)
3.4
人気児童文学作品のアニメ映画作品。
バイキングの長ハルバルの息子ビッケが、黄金に変えられてしまった母親を救うために、自慢の閃きを武器にハルバルの船に乗り込みます。

ソー、ロキ、アスガルド、ビフレストなどの北欧神話が深く関わってきます。北欧神話が分からなくても、マーベル映画好きな方にはお馴染みの名称なので、話自体はスッと頭に入ると思います。
ロキはロキでしたし、ソーはソーでした。
 
バイキングになりたいビッケですが、体は小さく、力も弱いため、父親のハルバルにいくら懇願しても船に乗せてもらえません。しかしビッケはバイキングの誰よりも閃きが鋭く、手先も器用です。
母親を救うために航海に出ることになりますが、その際も閃きでピンチを脱したりします。
最初こそ、「子供だから」「弱いから」と言ってバカにしていましたが、次第に仲間達から認められていきます。これが非常に気持ちがいい。最初に散々悔しい思いをしている姿を見ていたからだと思います。
子供だけで荒波に立ち向かうとことかすごい好き。


だけど、父親のハルバルが父親としてもバイキングとしてむどうしようもないくらいにバカすぎる。
まず父親として、ビッケを見ていなさすぎます。ビッケを守りたいのは分かりますし、ビッケのためを思っての行動だとは思いますが、ビッケの気持ちを考えていません。ビッケが何を言っても信用もしません。遊び程度に思っています。
その上家の事も何一つ出来ないので、父親としてはあまりにも未熟。
母親にしてもビッケにしても、ハルバルに対してはもっと文句をぶつけてもいい。それこそ心が折れるくらいに。

さらに自身の失態で妻を黄金に変えて、一刻を争う事態なのにも関わらず、敵を見つけたから戦うとか愚かすぎる。戦い優先する意味が分からない。父親としても、人間としても最低。
これに対しても誰かに文句言ってもらいたかった。


ハルバルがバカすぎたせいで所々でイラッとしましたが、終わり方は良かったと思います。
ビッケが本格的にバイキングをやってる姿を見てみたいです。