竜どん

8日で死んだ怪獣の12日の物語の竜どんのレビュー・感想・評価

3.2
コロナ禍が物語のド直球の骨子になっておりタイムリー、登場人物達の設定が演者本人とほぼ同一なので緊急事態宣言時仕事が出来ずに家に籠もってた各々の生活が垣間見える様で楽しい。現実世界との違いは地球に怪獣・星人が飛来してきた歴史の有無のみで、その「ズレ」がキャラクター同士の日常的な会話をゆるゆる且つシュールに富んだモノにしており飽きが来ない。配信画面とリモート画面少々の主人公宅の画面のみで展開される構成も今だからこそ撮れる手法として評価できるし、総天然色カラーではなく白黒なのも怪獣の幼生を撮したり非現実を現実に変換するのには効果的で良選択(あの紙粘土感が良いのだが笑)。

樋口監督と齊藤工の専門的(笑)な会話は知識がないと???な部分が多いけど、「弱い」カプセル怪獣のあるあるとか○ド○の餌が○イ○○ー○とか○ルン○とブ○ト○の形態の近似性とか怪獣図鑑に載ってそうな会話が特撮好きのオタク心をくすぐるw
のんさんとサイケ星人の共同生活も楽しそう!転送上の設定を上手く使って制作費を削減しつつも、実際にもオタクっぽい斎藤工との自然なやり取りは出来の良いコントを観てる様で◎。

玄人好み・特撮好きじゃないと楽しめるかどうかは定かではないが、全世界的なコロナ禍に直面する今その事態に対する普遍的なメッセージを内包しつつ、エンターテインメントに仕立て上げた制作陣には称賛を贈りたい。

追記
鏡を覗くたび雑踏を歩くたび頑張っている怪獣達の姿に涙を禁じ得ないですね笑
竜どん

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