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嵐ケ丘/嵐が丘のぉゅのレビュー・感想・評価

嵐ケ丘/嵐が丘(1939年製作の映画)
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2022年 鑑賞 22-104-11
NHK BSプレミアム にて
「世界の三大悲劇」や「世界の十大小説のひとつ」などと評されている、エミリー・ブロンテ先生の同名小説を原作に、「ローマの休日」「黄昏」等のウィリアム・ワイラー監督による、吹雪で道に迷い「嵐が丘」と呼ばれる館に辿り着いたロックウッド(マイルズ・マンダーさん)が、館の家政婦エレン(フローラ・ロブソンさん)から聞かされた、館の以前の主人の娘のキャシー(マール・オベロンさん)と、館の現主人ヒースクリフ(ローレンス・オリヴィエさん)との過去の悲劇を描く恋愛作品。
作品のスコアをつけられないと感じたため、遠慮させていただきます。

ー これも愛 あれも愛 きっとロミジュリ的愛 ー
&
ー モノクロ作品名作選 悲劇の恋愛篇 ー
何度も映画化や舞台化もされているという名作。愛されるのを感じる。

モノクロ作品。吹雪の夜、外から聞こえる「キャシーよ」という声がして、館の主人のヒースクリフが、「私の最愛の人」と叫びながら飛び出して行ったことから、語られる嵐が丘の過去ー
“何が起こっても 一生僕の女王さ”
幼少期は拾われた子のヒースクリフ。最初は「汚い」と彼に言い放ったキャシーだったが、2人は徐々に心を寄せ合い、互いに惹かれ合う。幼少期は素直期だったんだな。主人の息子で次期主人であるヒンドリー(ヒュー・ウイリアムズさん)憎たらしさが腹が立つ!父はいい人でも、金持ちの父だからとそれを鼻にかけ、貧乏人にマウントをとる子どもって、世界中でいつの時代もいるんだな!もちろん、性格のいい金持ちの子どもさんは大多数で、私も高校時代にもそういう人はいたし(彼の家は広かった。何より2階建てなのに、エレベーターがあった)、めっちゃいい人だったし、あとであの●●●●の息子さんだと知ったぐらい。昨年にたまたま出会った時も声をかけてくれた(私もあの●●●●の作業着だし、そうかな?と思っていたが、間違えていたら?とか、私のこと忘れていたらって思って声かけなかった)ぐらいいい人だ!って話ズレた...
ヒンドリーのヒースクリフへの憎しみは大人になり、主人の座に就いても消えてはおらず、そらヒースクリフもおかしくな... ってない!今もキャシーへの気持ちは変わっていなかった!が...

あの事件によりヒースクリフとキャシーは方向性がズレてきたんだと思ったんだが... いい風に言えばキャシーに纏わりつく男性に牙を剥くヒースクリフと、ヒースクリフをずっと愛することを思い出したキャシー... 悪く言えば偉そうで身分の上下関係なく上から目線のヒースクリフと、ヒースクリフに毒され二重の人格を持つキャシーにも見える状況... キャシーの憧れやヒースクリフの抱く愛するキャシー像にズレが生じ、どんどんすれ違っていく2人... あの岩の城の前の2人はどこへ... あの大雨の嵐の夜に2人は離れ離れに...

エドガー(デヴィッド・ニーヴンさん)とキスをした時もキャシーの表情、彼女自身が彼女自身に言い聞かせるような彼女の言葉... 私は呪いなんて信じない!キャシーが気持ちに素直にならないことこそ呪いだと思う!なんて思っていたら、面白シーンが!エドガーとキャシーのキスを見た●●●●の動きが、この作品唯一のコメディシーン!

“よそ者や泥棒ではなく隣人です”
“昔石を投げつけただろ 私をバカにしてこき使った そのころも今もおくびょうものだ”
ヒンドリーの過去とヒースクリフ過去と結言葉の数々。キャシーの表情と、エドガーの怒り... ダンス会のピアニストの神業!まさに「天国と地獄」?「私の人生は終わった」「私の1日分は、彼の一生分に満たない」「君が望んだから戻ってきた」ヒースクリフの名言まみれ!ヒースクリフはずっと変わらないのに、愛する女性が結婚して、 一度は彼の人生は終わり、でも彼女の望みで地獄から戻ってきたのだが... 運命はそう上手くは流れなかった...

キャシーは死を望むようになり... ベッドの上のキャシーの表情が変わり、運命はまたいい流れに戻る。ほんの少しだが最高潮に上がり...

“二人が死ぬまで抱き締めていたい”
愛する人と荒野に... あの吹雪の中飛び出したヒースクリフは、信じられないことに女性といた... ヒースクリフと彼女は向かう...

「私たちのお城がある場所よ」

最初の出発はロミジュリ的な恋愛劇かと思っていたが、違うんだな... でも、中盤からのキャシーの心の移り変わりが、ずっとキャシーを愛し続けたヒースクリフの運命を狂わしていく、2度のあの場面でも2人が固い運命で繋がれるシーンが良かった!が、見様によっちゃあド変態にも映りそうなヒースクリフの頑なな愛。私には、むしろキャシーに振り回されるヒースクリフが不憫で、ロミジュリ感を感じた。あと、ヒースクリフの復讐のシーンが、私は好き!ヒンドリーと●●●ーには、きっちり復讐をしたことに拍手!意外とこのシーンは重要で、さらっと流されなくて良かった!

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