爆裂BOX

アイ・アム・オメガの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

アイ・アム・オメガ(2007年製作の映画)
3.0
謎のウィルスの蔓延により人類のほとんどがゾンビ化した世界。数少ない生き残りの一人レンチャードは孤独な生活を送っていたが、ネットカメラを通じてSOSをキャッチし…というストーリー。
アサイラムが制作した「アイ・アム・レジェンド」の便乗作品。というか、アサイラム流の「アイ・アム・レジェンド」ですね。ただ、主役がマーク・ダガスコスなので本家や最初の映画化作品や原作にあった主人公の孤独や、原作のラストのキモである価値観の逆転などはありません。単純明快なサバイバル・アクションになってます。
前半はダガスコス演じるレンチャードのぼっちサバイバルやゾンビとの戦いが描かれます。孤独を紛らわす為、マネキンと一緒に食事して話しかける所までパクッてます(笑)日々の格闘訓練のシーンではキレッキレな脚さばきや棒術のシーンも見れます。ゾンビとの戦闘シーンはほぼ一方的に殴ったりけったりして倒すので格闘アクション的には見応えはないかもしれませんね。
中盤からは生存者の女性ブリアナからのSOSを受け、一旦は無視するものの新たに現れた男二人から彼女が抗体を持つことを知らされ強制的に救出ミッションに行かされます。レンチャードの山小屋での彼と男二人の戦いは中々楽しかったですね。ブリアナを救出して車で逃げようとする時にゾンビ達と遭遇しわざわざ車から降りてヌンチャクで戦ってる間にブリアナが呆れてさっさと車を出しちゃう所は笑いました。終盤は実はこの世界を現状維持する為、ブリアナを殺して治療薬開発を阻止しようとしたヴィンセントとの戦いになりますが、こちらも格闘アクションとしての見所はあんまりないですね。でも、アレだけ打たれたのにあんなに戦えるレンチャードは人間やめてますね。
ゾンビは「アイ・アム・レジェンド」のダーク・シーカーの様ですが、彼方よりもグロテスクな容貌になってます。ゴア描写はそんなにないですね。血を浴びると感染するので危険という設定ですが、水で濯ぎ洗いすれば大丈夫という超イージー設定です。
全体的にアサイラムらしい雑で安い作りですが、武器も食料もタップリあって、水も電気もネットも使えてダガスコスだから格闘も無敵。そんで生き残ってた綺麗なお姉さんとも仲良くなれるという中学生男子が考えたようなチート設定な終末世界が楽しい作品でした。