MasaichiYaguchi

カサノバ ~最期の恋~のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

カサノバ ~最期の恋~(2019年製作の映画)
2.8
希代の色事師であるカサノバの晩年の恋を描いたドラマというと、1992年のアラン・ドロン主演のエドゥワール・ニエルマン監督作品があるが、ブノワ・ジャコー監督がバンサン・ランドン主演で映画化した本作は、格調高くデカダンスを描こうという意図は伝わってくるが、カサノバの「老いらくの恋」から漂うのは哀れさを通り越して老醜が前面に出ていて後味が悪い。
伝説のプレイボーイも寄る年波には勝てないということかもしれないが、蓮っ葉な若い女にいいように振り回される姿は同じ中年男として同情よりも呆れる方が先に立つ。
物語自体は、パリから亡命を余儀なくされてロンドンにやって来たカサノバが娼婦のシャルピヨンに一目惚れし、何とかものにしようとするのだが逆に手玉に取られてという話。
このシャルピヨンをステイシー・マーティンが演じているが、確かに美人とはいえファム・ファタール的な魅力は薄いと思う。
更に主演のバンサン・ランドンは名優だと思うが、老いても色気や華やかさを感じさせるカサノバ役には不向きなような気がする。
だから文学的、芸術的な芳香を醸し出しても、作品の構図として金満家の年寄りから金をむしりとる若い女と色ボケした老人との痴話ドラマのように感じられてしまいます。