うっちゃりはちべー

アウトポストのうっちゃりはちべーのレビュー・感想・評価

アウトポスト(2020年製作の映画)
4.1
カメラが揺れると聞いていたので身構えて挑んだけど酔わず。よかったー
自分の酔う酔わないの基準がわからない……
カメラの動きに「誰かの視点」ぽさをあまり感じなかったからかな。

ヘリを降りた瞬間から四面楚歌。安全地帯の無い地獄。
そこに居るだけで何をしていても常に死と隣り合わせで、なんでもかんでもフラグに見えてしまう。
後半の戦闘が始まってからのイレギュラーの連続に、その場で立てた作戦が即崩壊する様がリアル。着替える暇も余裕もない。

美談というかウェッティな演出として受け取られる要素があるならエンドロールくらいか。
結果とラストの描き方を見ると製作側は美談として作ってはいないように見える。
死と隣り合わせの日々は淡々と撮られていたと思う(終わりが近くなると感傷的なシーンもあるけど)し、どちらかというとやるせなさや虚しさの方が勝つ作りで好きだった。
「キルチーム」の冒頭の容赦のなさを思い出す。

軍隊あるあるのホモソーシャルにしても肯定的には描かれていないように思う。
死への恐怖を麻痺させるために不謹慎を笑い、それだって最終的に彼らを救いはしない。
インタビューで言及されていた兄弟愛的な絆に関しても、終盤のあの状況の描き方だとそれによって失った命の方が多かったのでは……

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは最初の印象だとフラフラして鈍臭そうなキャラかと思ったけど、最終的には全然違ってた。単純なキャラ付けではない揺れがあって良かったな。
登場人物が多くて見分けが付き難いのはちょっとしんどい。