幽斎

ゲーム・オブ・デスの幽斎のレビュー・感想・評価

ゲーム・オブ・デス(2017年製作の映画)
3.8
皆さんはジュゴンとマナティの違い、分りますか?。私は植物と動物が子供の頃から不得意で、京都の海獣学者の友人の知恵を借りて話を続けます。友人はクジラやイルカ、アザラシ等の海洋哺乳の生態を研究してますが、マナティと言えば人魚。AmazonPrimeVideoで鑑賞。

正しくは「海牛目」と言うらしく、ラテン語「Sirenia」ギリシャ神話に登場する女怪セイレーンに由来。私の嫌いな(笑)、ディズニーのマーメイドとは似ても似つかぬ。友人に依れば、滑らかな皮膚表面が魚類や両生爬虫類と違うので、人魚と思ったのだろう。との事。私も沖縄美ら海水族館のマナティ館で見た事が有ります。ジュゴンとマナティの見分け方は「尾ビレ」。ジュゴンは三角型、マナティの尾ビレは大きなしゃもじ型、ジュゴンは外洋の高速巡航。マナティは沿岸で急発進出来る姿だそうです。

何の話でしたっけ?、あぁホラー映画の話でしたね。フランス製作だけにハイテンションなスプラッター。レトロ・フューチャーなボードゲームと言っても、スリラー的な謎解きや、古い言葉で言えばスリリングな駆け引きも無く、能天気に殺傷を繰り返すが、無駄にスタイリッシュなアニメーション、ポップなBGMで意外と飽きさせない工夫は感じる。

フランスでは珍しい全編英語。アメリカでR指定を喰らい、先ずカナダの配給会社を経由して、アメリカで公開。アメリカ人のオーディエンスは10点満点で5点と極めて妥当だが、ホラーが好きな方には刺さる部分も有るだろう。予算の全てをスプラッター描写に注ぎ込み、フランスらしく人間模様も意外と描けてる。タイトな70分で纏めた点も評価できる。

アメリカの一部の州は死刑制度が無いが、普通ならゲームに勝利しても死刑は確実。8人しか居ないのに24人殺せとか、始めから無茶振りが過ぎる。フランスの名作スプラッター「ハイテンション」彷彿とさせる人体損壊パレード。名作スリラー「スキャナーズ」頭の爆裂とか、油断してると今年一番の血糊カーニバルにほくそ笑む方も居るかも。

海藻を食べるマナティだが、生息地では食用とされ、死んだ後も皮が珍重される。人間の水質汚染で絶滅危惧種に、生き残りは保護され水族館行き。スリラー小説で「無辜」と言うフレーズを使うがマナティの意味は、その喩えと思われる。グロさの箸休めとしてのマナティ。私は日本酒なので、箸休めとして厚揚げの肉豆腐をレンジでチンします。豆腐でなく厚揚げを使うとコクが増す。麺つゆと砂糖だけで味付け出来るのでお薦め。

意外と細かい気配りを感じるスプラッター・スリラー。最近血糊不足の貴方に是非!(笑)。

【おまけ】アメリカ合衆国の死刑廃止州。アラスカ,ハワイ,アイオワ,メイン,マサチューセッツ,ミシガン,ミネソタ,ニュージャージー,ニューメキシコ,ニューヨーク,ノースダコタ,ロードアイランド,バーモント,ウエストバージニア,ウィスコンシン。やはり東部と北部に集中してる。
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