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眼には眼をのろのレビュー・感想・評価

眼には眼を(1957年製作の映画)
5.0

「心臓ってのは不思議なもんで、奥さんの心臓が止まると、それはただの肉の塊なんです」

うわ~~すきだ~~だいすきだ~~!!!
観ている間「たまんねぇな…」の独り言が止まらない(笑)まさに「眼には眼を」な、ジトジト迫る復讐劇でした!

重病を患う妻を亡くしたボルタク。
それからというもの、診療を断った医者・バルテルの周りで奇妙なことが立て続けに起こる。

無言電話に悩まされ、夜道を歩けば誰かの気配。
鏡越しにこちらをじっと見つめるのは、ボルタクの冷たい瞳…。
次第にバルテルは不安に苛まれていきます。
そんな中 向かった先は、怪我人がいるという遠い村。

もうね、まるでヒッチコック映画のようにスリリングなんです。
酒屋で一人バルテルがトランプ遊びをしていると、4人ぐらい男が入ってくる。みんな恐ろしい顔つきなの。
なにするんか思ったらね、等身大の人が描かれた布を壁に掛けて、それに向かってナイフ投げ出す。そしてそのナイフが…。

言葉は通じず、交通手段も断たれた。
途方に暮れるバルテルの前に現れたのは、あのボルタクだった。

「この山を越えれば、この道をずっとまっすぐ行けば街につく」

しかし、行けども行けども辺り一面の砂漠。
干からびた大地はひび割れ、自分の影だけが長く長くのびている。

「墓場です。先生見えるでしょう。」

高笑いは山にこだまし、ハゲタカが乱れ飛ぶ。

鑑賞後、頭をよぎったのは「地獄だ、地獄の恐怖だ…。」という地獄の黙示録のセリフ。
意図的なのか偶然なのかさえも分からない恐怖に、すっかり虜になってしまいました。
ろ