てづか

二代目はクリスチャンのてづかのレビュー・感想・評価

二代目はクリスチャン(1985年製作の映画)
-
この映画好き!!、


前半のコメディの小気味よいこと。
岸和田少年愚連隊の時も思ったけど間のとり方と緩急の付け方が好き。関西には昔から憧れがあるのかなんなのか、なんとなく関西の人たちの話し方とかテンポ感がすごく好き。

今日子目当てで入信した晴彦より、その子分たちの方が敬虔なクリスチャンになってんのが面白かった。そのやり取りに癒されもした。
だからこそ後半の展開はくるものがある。

子供すらもヤクを打たれあんなに仲良くしていた子分たちも1人ずつ死んでいく。
最後に残すのは今日子や子供たちを案じる言葉。

蟹江敬三演じる磯村が「主の恵みなんかあてにしたらあかんねん!」と訴えるシーンには泣かされた。
罪をゆるすと言われても、何一つ許されずに生きてきた人間にとってはそんなの綺麗事でしかない
キリストが何をしてくれた?求めよさらば与えられん、なんて嘘じゃないかという言葉には共感MAXだった。

そんなこと言ってたのに、最後まで今日子のことを案じて他の人守って死んじゃうんだもんなあ。

そんな磯村の死を経てからの今日子の覚醒までの流れが本当に最高。

色々な思いを抱えながらも最後まで今日子を信じたみんなを、今日子は最後まで敬虔なクリスチャンだったと言った。
そんな彼らに主の恵みはもたらされなかった。
その落とし前は、自分がつける。
シスターとしてではなく、ヤクザの2代目天竜今日子として覚醒した瞬間の感動が凄い。
他の誰でもなく、自分がやらなきゃいけないことなのだ!と決意した姿にはもうずっと涙涙だった。

…と覚悟は決めつつも人を殺したことなんかない、刀なんか握ったことない人間がいきなり人を殺せるわけが無い…というところで最初に殺すのが北大路欣也ってのも凄くいい。
仇ではあるけど導いてくれる存在を自分の手で殺してちゃんと腹を据える感じが最高。


そこまででやりたいことはやったということなのか、ラストは割とあっさりめ。柄本明の笑顔が最高にかっこよかった。


あと、個人的な好みでいえばかたせ梨乃が好き。
てづか

てづか