生涯ベストに入る作品。
20回目ぐらいの鑑賞。
天使のような志穂美悦子。
この志穂美悦子にずっと恋をしている。
いくつもハッとし、ドキドキするシーンがある。
自己犠牲の塊のシスター今日子がまかり間違って柄本明に処女を捧げてたかと思うと…とか。
序盤のコメディ感にはホノボノするけど一点、ほぼ、主要人物は全員死ぬ。
みんな、シスター今日子のことが大好きで、死んでいく。
話はどんどんと凄惨に。そして運命というものは悲劇に向かい今日子はシスターから、極道の2代目になっていく。
特筆は蟹江敬三演じる磯村。
コメディ部分から、ラストの見せ場まで。
笑いに、優しさや、怒り。
愛嬌から凶悪さや。
知性まで。
あらゆるところを見せてくれる。
生い立ちの地獄から獲得した優しさ。
絶命時は、子供達のことを心配して死んでいった姿には涙が止まらない。
それに呼応して。
2代目としてオトシマエを宣言するシスター今日子。
絶望の中に泣くことと祈るしかできなかった少女は戦う女になる。
日本刀を叩きつけて啖呵を切るあの姿。
勇ましく美しいが、加えて、あの死んだ磯村に見せたかったと感じる。
この姿が、磯村は一番見たかったのだと。
そして、柄本明もここで、男を見せる。
全ては惚れた女のために命を捨てる男たちの話。
死んでいった男たちのために、オトシマエをつける美しい女の話。
ストーリーはきっともっと撮っていたのだろうが、不自然さが明らかになるくらい説明不足。
つながりの変なところも多いし、説明があまりないので物語が破綻してるところ多数。
だけど。
それでも。
とっても魅力的な作品なのだ。