B姐さん

キング・オブ・ニューヨークのB姐さんのレビュー・感想・評価

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『バッド・ルーテナント』とコインの裏表のような作品。
『ルーテナント』はハーベイ・カイテルが主人公の刑事で、彼は「贖罪」の意識から常にイライラ悶々としていたが、本作のギャングの親玉クリストファー・ウォーケンは違う。
『ディア・ハンター』時のC・ウォーケンは「ウェット・アイズ」と評されていたがこの作品はとにかくドライ。そして彼を包んでいる空虚感が物凄い。
だからか『ルーテナント』に比べて「贖罪」という主人公の心の動きが見えにくい。フェラーラはすごく丁寧に、丹念に演出しているが少し物足りなく感じた。

しかし、良き行動をしたいのだが人殺しをしてしまうという「業」がめっちゃ怖い、なんて映画はA・フェラーラしか撮れない。

DVD(4/13/2015)
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