こういう作品がB級としてではなく1級のクオリティで提供されるのは、ネトフリやアマプラなどイカれた(笑)サブスクリプションサービスの恩恵ですね(一昔前なら日本未公開の低予算カルト映画の類になってそう)。
本作を一言で言えば、ありとあらゆる逆張り、アンチテーゼに挑戦した作品と言えそうです。映画が持つ自己言及性、ポリコレ、ストーリーテリング、クライマックス、謎解きなど全てを跳ね除けた作品です。よって、昨今の『ミッドサマー』が解説記事などを通して大ヒットしたように、わけわからん作品を観て、その謎を解いた(ように見える)記事を読んでスッキリするムーヴメントの手順が、本作でも用いられました。
しかし、です。これは作品自体を否定していることになる。というのも最初述べたような批評や謎解きはテーゼであり、本作はアンチを命題としているからです。
つまり、本作の正しい見方として、2時間15分「訳わかんねえな〜」と思いながら、徒然なるままに思い浮かぶことを映画が終わった余韻後に振り返る、その程度で充分本作の意義があると思います(しかし、サブスクリプションの弊害として途中で止めたり、スマホをいじりやすい環境であることが、皮肉であることは薄々感づいているでしょう)。