日本と韓国それぞれのチグハグな兄弟と親子にまつわるロードムービー。
どうしてもベイビーブローカーが思い出されてしまうけどそれはそれ。
どちらもそれぞれに個性のある温かい家族を描いた物語だった。
愛する妻に先立たれ何もかもを捨てて兄の住む韓国にやってきた弟と、歌手としての成功にしがみつき、不毛な恋愛を引きずる妹。そんなふた家族が目的をともにするでもなく同じ方角を目指して旅をして…
搾取。
監督のこれまでの作品では搾取を超越するようなハートフルな物語が多かったけれど、今回は搾取という言葉が執拗に使われていた気がする。
気づけば全員、搾取される側の人間ばかり。人間は誰かから搾取したりされたりし続けるのなら搾取し尽くした世の中には何が残るんだろう?
搾取するものがなければ残り物を分かち合う優しさが残る?
残り物には福がある?
人間の営みには負け惜しみではなく、そんな幸福がきっと残されているのかなぁと、ラストの食事のシーンを観ながらフワッとそんな感情が湧いて出た
奪い合うより分け与える世界をもうしばらく期待してみたい
さらには天使のシーンは圧巻
このシーンを上の感想にどう当てはめたらいいのかわからないけどどうにも好き。
あとは動画配信特有の台詞メモなので鑑賞前の方はご注意を。
この世におかしいことは何一つないんだって
どんな人生でもいい
何だっていんでしょ
だったら生きてて良かったって
勝手に決めようと思う
涙もいいけど笑顔の方が素敵です
あなたの目を通してみるこの世界を
俺も少しだけ好きになれるかもしれない
サランヘヨ
ではないんですが
とてもそれに近い感情です
本当にサランヘヨだったのは
亡くなった妻です
本当に本当にサランヘヨでした
自分が何を言っているのかわかりません
天使はあなたです