ケイスケ

ウルフウォーカーのケイスケのレビュー・感想・評価

ウルフウォーカー(2020年製作の映画)
4.2
ウルフウォーカーになってロビンちゃんの匂いをクンカクンカしたり可視化したい🐺(最低な欲望)

中世アイルランドの町キルケニーでは、人々が森に住むウルフウォーカーについてひそかにささやき合っていた。少女ロビンは、オオカミ退治のためイングランドからハンターの父と共に、キルケニーにやって来る。ある日、父の後を追いかけて森に入った彼女は、人間とオオカミが一つの体に共存し魔力で傷を癒やすヒーラーでもあるウルフウォーカーのメーヴと出会い仲良くなる。

ちょっとびっくりするくらい面白かった。異文化の争いというのは使い古されたネタではあるけど、そこにシスターフッドの要素を取り入れて女性の自立と成長を描いています。本作も今だからこそ作られた作品ですね。

まずアニメーションが本当に素晴らしい。どの場面も色彩豊かで絵画っぽいんだけど、キャラクターの動きが日本の漫画みたいに線を強調して勢いを出しているというか。キャラも魅力的でロビンもメーヴもすごく愛らしいですね。でもメーヴのママは見た目がちょっと怖いから最初見たとき、ヴィランかと思っちゃった。ごめん😥

全編に流れるケルト音楽も映画の素晴らしさを後押ししてますね。なんでケルト音楽ってあんなに冒険に出かけたくなるんだろ。色彩豊かな森や自然のビジュアルに対して街の色彩が暗いこと。街中はまだ良いんだけど、女性の給仕たちが働く作業場がとにかく薄暗くて冷たい雰囲気。この対比も上手いと思いました。

終盤、とある人物がウルフウォーカーになりますが、ここの覚醒場面をかなり引っ張るもんだから、いざ覚醒したときは「よっしゃキタおらあああああ!」って雄叫びをあげたくなりましたよ。ワォーーーン!🐺ちょっと中盤、街や森を行ったり来たりでテンポが悪いのが気になったけど些細なことですね。最近観た劇場アニメでは間違いなくトップクラスの出来でした!