コロナ禍で苦境に立たされたミニシアター界。
そんな中、
「まだ、ひとつだけ、できることがある」
「だったら、自主映画をやればいい。完成させて全国のミニシアターを回ろう」
と立ち上がった入江監督が作ったこの映画。
その経緯、あまりに尊い。映画オタクとしては泣いてしまうし、観客動員数に貢献して「こういう映画が客を呼べる!!」ということを証明する一員になりたかった。
その尊さにクラクラしてしまい、もう あらすじも何も知らずに見に行った。
なるほど、忍者→吹き矢→シュシュシュかーーー、と納得しつつ見ていくのだが·····
途中まで驚くほど展開が、暗い。
現実世界の鬱鬱とした感じを、ぐつぐつと煮詰めた濃縮還元150%果汁を飲まされ続けた気分だった。
映画を通じて、現実世界をただただ見ていたような時間だった。
まぁ、映画だからって軽快なわけでもないよな。
しかし、「コロナ禍で困ってるミニシアターを救う」·····って理念の映画がコレ??と正直かなり戸惑った。それくらい暗い。
でもラスト、未宇が軽快に「シュシュシュ」とやってくれる。鬱鬱を吹っ飛ばしてくれた。それまでの鬱鬱さとのギャップが大きくて、一気に脳細胞が興奮した。
分かりやすい勧善懲悪だけど、昔見た時代劇とかとはレベルが違う。時代劇は昔だが、この映画は今だ。
別にシュシュシュとしたところで私の現実世界は何も変わらない。ニュースは暗いし、息がしづらい日常が待っている。
でも、私は「あの未宇」を見れてよかった。
この映画は、「あの未宇」を見るための映画だと思う。
追記
入江監督、東京都政になにか恨みでもあるのか·····?
市長の名前と、自警団のブルゾンの色にご注目ください。