やまもとしょういち

ショック・ドゥ・フューチャーのやまもとしょういちのレビュー・感想・評価

3.7
試写にて。1978年のパリを舞台にした、女性プロデューサーとエレクトロニックミュージックにまつわる映画。物語消費されることを一切念頭に置かない、演出やセリフの細部と歴史的背景に対する理解度で楽しませる(つまり、非常にオタク的な)作品だった。(主人公の基本情報の説明はほとんどなく、というか推測させるような描写すらほとんどなく、むしろ清々しいくらいだった)

エレクトニックミュージックの歴史から見過ごされてきたそのパイオニアたる女性プロデューサーたちに捧げられているという、作品そのものの持つメッセージは本当に素晴らしい。「映画」としての完成度とら別の魅力に溢れていた。音楽をやっている人にとっては「いますぐに家に帰って音楽作らなきゃ」って思わせてくれる映画で、そこが本当にいいと僕は思う。