KOUSAKA

ショック・ドゥ・フューチャーのKOUSAKAのレビュー・感想・評価

4.2
いわゆる冨田勲的な、まるでコックピットのようなアナログシンセ群と、超美人のパリジェンヌ(ホドロフスキー監督の孫と聞いてビックリ!)との2ショットという絵面を実現させている時点で、この映画の8割はOK‼️👍

全体が78分と決して長くないのに、主人公のアナがアナログシンセのツマミをあちこちいじりまくるシーンにかなり時間を取っているところが、マーク・コリン監督のフェティシズムとしか言いようがないし、そういう絵を撮ることの大切さを監督自身が一番分かってる気がしました。

こうなったら細かいストーリーはあってもなくても良いんやけど(言い過ぎ😆?)男性優位だった当時の音楽業界を象徴するような、さりげないセクハラワードが所々に登場して、何とも言えない微妙な「違和感」や「嫌悪感」が、決してフェミニズム的な主張をしすぎてないんやけど、静かなる「怒り」を感じました。

今年2021年の傑作『17歳の瞳に映る世界』で、主人公の女の子2人のバイト先の店長の、超気持ち悪い変態セクハラ行為(手を舐める)を思い出しました。あれもとんでもないセクハラやのに、ことさら強調し過ぎず、さりげない演出に留めるという「抑制」が貫かれていましたよね🤔

そして、本作最大のハイライトと言えば、やはりクララという助け船が登場して、あの名曲が生み出されていくプロセスが、たっぷり時間を取って描かれているところだと思います‼️

これまた音楽青春映画の大傑作『シング・ストリート 未来へのうた』でも、同じような胸アツのシーンがありましたが、思いつきのように一音一音を重ねていくことで生まれていく「奇跡」の過程がドキュメンタリー的に描かれると、音楽好きにとっては鳥肌モノの感動があります😭

また一つ、最高の音楽映画が生まれました。必見‼️
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