油

ショック・ドゥ・フューチャーの油のレビュー・感想・評価

5.0
この異常な短さと、明瞭なサクセスストーリーたることをあっさりと拒否した物語性の薄さが素晴らしいとしかいえない。テクノオタクだけに向けられたものかとも思うけど、そこかしこで映画的実験もしっかりしている(もちろん音の鳴らし方には愛しか感じない)。基本部屋から出ないのがまずよい。あるいはテクノオタク版のゴダール「ワン・プラス・ワン」かとも錯覚した。デリア・ダービシャーの名前最後出てきてマニア的に参りました。

他のユーザーの感想・評価

THROUGH227

THROUGH227の感想・評価

3.2
仏エレクトロシーン黎明期

壁一面のモジュラーシンセ
ローランド社のリズムマシーン CR-78
いいねー
部屋のインテリアも◎クッション欲しい!
劇中の音楽も良かった

ただ、内容はイマイチ

冒頭で踊ってるアナをみてHung upのマドンナ思いだした笑
シオ

シオの感想・評価

3.6

血管のように絡む
ケーブル
壁一面に
連なるノブをひねり
スイッチを押し込む

部屋のコクピットから

音世界へ飛翔する



_____

やっと観ることができました!

監督はnew waveを敬愛する
音楽プロデューサー
マーク・コリン

エレクトロや
テクノの系譜における
黎明期の始祖的な
話かと思ってたけど
先鋭的音楽を模索する
彼女の作曲過程での苦悩を
取り上げていて
ちょっと肩透かし

音楽を語る映画なのに
思ったほど物語の展開に
テンポやリズムが
感じられなかったのも残念

冒頭の音楽に身を委ねる
ホドロフスキーの孫娘
アルマ・ホドロフスキーが演じる
主人公の場面が
その中でも
当時の美しい音世界を
具現化していた
鷲尾翼

鷲尾翼の感想・評価

4.0
【まとめシネマ】#909

【まとめ】
* ROLAND CR-78との出会い
* 1970年代後半の未来の音楽
* これから起こるテクノ革命の予感

最近ヴィンテージのリズムボックスをヤフオクで落札したので、思い出鑑賞。

アルマ・ホドロフスキー演じる若手ミュージシャンの主人公は、日々シンセサイザーに囲まれた部屋で作曲の日々を送る。依頼されたCMの作曲に取り掛かるも、納得できる曲が出来ずに苦悩する。そこにシンセサイザーの修理に来た技術者が持ってきたのは、ROLAND CR-78だった。

ROLAND CR-78とは。
日本の音楽メーカー・ROLAND社が1978年に発売されたリズムマシン。今でも根強いファンを持つヴィンテージマシンで後の伝説の名機TR-808にも繋がる。

未知の可能性を手にした瞬間、それまで塞いでいたアイデアや思いつかなかった新たなアイデアに出会う一目惚れのような感動は音楽に限らず、多くのクリエイターはめちゃくちゃ共感する瞬間。こういう瞬間をきっかけに創造を仕事にしようと目指す青春でもある。

本作の舞台は、1970年代後半。
日本ではYMOがデビューし、テクノが世界的に流行する前の時代。当時の音楽シーンは、ロック全盛期でシンセサイザーの音楽を得意とする主人公は酷く葛藤する。加えて、最大の課題が「近未来の音楽」で、今尚最先端の音楽の製作に苦しむ若き音楽家は数多と存在する。ロック全盛期に生きる主人公もそのひとりで、テクノの定義すら定かではない時代に未来の音楽に挑み続ける。

これから数年後、YMOは2ndアルバムである『SOLID STATE SURVIVOR』をリリースに国内外で大ヒットする。そのテクノが大流行する瞬間は、その時まで分からない。我々は沸々と過ぎる流行の予感を思いながら、主人公の創作意欲に貢献する。

この作品は評価や面白さは別にして、僕の2023年を代表する映画だと思う。
あおい

あおいの感想・評価

2.8
上映期間中に見逃した作品。
音楽は良い。録音してるシーンも良かった。こういう女性の話は大好き。
だけど78分早すぎた。夢中になってあっという間だったという感じではなくて、もう少し何かあっても良いんだよ?って感じ。
100shimo

100shimoの感想・評価

3.0
予告編と卓球さんのコメントで観たかった作品!
1978年のパリが舞台。主演はホドロフスキー監督のお孫さん、これまた美人さんですね。
電子音楽好きはとにかく観るべし!
ブリブリいってる電子音を聴いているだけでも気持ちいい!これは音響のいい劇場で観たかったなあ。
ストーリーはあってないようなもの、深く考えず、78分電子音まみれの映像を浴びるべし!
鑑賞後はApple Musicでサントラを聴いて2度楽しめます!
機材好きにはたまりませんね。
早く家に帰って作業したいとか、作った曲が認められなくて凹むとことかの描写も良かった。
あとは、女性のトラックメーカーからの目線で描かれていたのが、意味があるなと思いました。
ミニ

ミニの感想・評価

3.3
あまりに短すぎてストーリーに広がりなかった。が、アナがとても美人で横顔に惚れ惚れした。
8時だJ

8時だJの感想・評価

4.0
70s🇫🇷エレクトロシーン黎明期の女性ミュージシャンの1日を描いた作品
ほぼ部屋が舞台でストーリーはほぼ無いんだけど見入ってしまう
まずオープニングにヤラれる
時代が時代だけに女性が下に見られてる描写多め
ThrobbingGristleは絶賛Suicideは酷評w

機材だらけの部屋、新しい機材に興奮する様子良い◎
主役の子が魅力的だし映画の雰囲気と音楽がバッチリ合ってました!
440

440の感想・評価

3.5
大事なのは転ぶ回数より起き上がる回数だ

楽曲製作の締め切り当日で追い詰められた女の子。
そんな彼女が過ごす1日を描いた作品。

魅力的な音
新しい音
探究心

女の子の日常生活を切り取った作品なんだけど、思いが強すぎて妥協出来ない所や、めんどくさいから適当にやっちゃうなど若者あるあるが詰まってる。
妄想で
行き当たりばったりだけど、イメージが膨らみ形になっていく楽曲。

芸術って改めて思うようにいかないんだなぁと痛感。
自分が最高と思っても他人がどう思うかで判断されてしまう。

世間が受け入れるもの
自分が良いと思うもの

そこには努力や思いだけでは叶えられない何かがある。

出会い

タイミング
センス

いろんな偶然が重なって出来上がっていく作品。
アーティストってやっぱり凄い。

あまり感情を動かされるような作品じゃないけど終始見入ってしまう魅力と画のセンスの良さが印象的でした。

幼児番組を見て「これ作った人は絶対キノコやってる」って所が好き。
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